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文豪探9プレゼミ開講!

2018年7月25日(水)荒川区東尾久の MIRAI TOKYO で「文豪探9」プレゼミを開催しました。

TQ仲間の原尻淳一さんが主宰している ライフワーク倶楽部からのスピンオフ。家子史穂さんと鎌田奈那美さんが、もう一度大学のゼミのような学びをしてみたいという思いから生まれた企画です。

いきなりの連続ゼミではハードルも高かろうということで、今回、1回こっきり、ショートバージョンの「プレゼミ」を開くことになったそうで、開講科目の一つとして、ありがたいことに文豪探9を指名してくださいました。

平日の夜。記念すべき初代ゼミ生は6名。

まず、私が東京を歩いてゆくうちに九人の文豪たち(森鷗外、幸田露伴、永井荷風、正岡子規、夏目漱石、寺田寅彦、芥川龍之介、萩原朔太郎、室生犀星)とどう出会っていったかというお話からスタート。その出会いは、単に過去の情報の発掘にとどまらず、時空を超えて、等身大の相手として自分に語りかけてくる体験なのだということ。

そして、9人が表現スタイルの違いによって3つのパターンに分けられることを「発見」したことをシェア。そのスタイルを学ぶのに最適な作品を紹介しました。

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最後は、実際に文豪になりきって表現!正岡子規の提唱したスケッチ文を、『墨汁一滴』の一節をお手本にみんなで書いてみました。子規は、自身が寄稿する新聞の読者向け企画として、日記文募集を行いました。なんてことはない一日に起きた出来事を写実的に書いてみるだけで、背景に埋もれていた「情緒」があらわになるということを子規先生はわかっていたんですね。

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ものの数十分で、参加者の方々は、ここ数日で印象に残った情景をスケッチ文にしました。文を書くのに慣れている人も、そうでない人も、みなさくっと書きあげてしまい、

「仕事でレポートするとなると書けないのに不思議」

「こんなすぐ書けると思わなかった」

「英語で書くときの感覚と似ている」

「余計な主観がそぎ落とされて、洗練された感情が現れる」

との感想を頂戴しました。

それぞれスケッチ文を家に持って帰り、描かれた情景を十七字にまとめるというのがホームワーク。

夕焼けの 雲を仰ぎて 蚊にさされ

寝ころんだ 絨毯の床 バッハかな

夜(よ)の事務所 黙って見守る 創作料理

ガジュマルの 気根がのびゆく 朝の窓辺

夏の夕 異人少なし 銀座なり

みたらしの 地から湧き出る 祓え水

塩あめをなめる 短き影法師

面白い句が生まれました。

「歩く→まず書く→思いを消す→書き直す→俳句で凝縮」

この積み重ねでスケッチ力を高めてゆくという「手法」があるのだなという副産物まで生まれてしまいました。

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素晴らしい夕べ。ぜひまたやりたいし、続けて行きたいですね。